朝型(ヒバリ型)と夜型(フクロウ型)
睡眠のタイプには、大きくわけて2つのタイプがあります。早寝早起きが得意な朝型(ヒバリ型)タイプと、夜に強い夜型(フクロウ型)タイプです。
その違いは、遺伝的なもの、生活スタイル、年齢などさまざまな要因から決まります。ただし極端な朝型・夜型に当てはまるのは全体の1割程度。ほとんどの人はその中間になります。
1988年の調査によると、朝型・夜型の平均睡眠時間は以下の通りで、睡眠時間の長さ自体には大きな差はありませんでした。
<朝型タイプ>(睡眠時間:6時間43分)
・就床時刻:23時38分(平均)
・起床時刻:6時55分(平均)
<夜型タイプ>(睡眠時間:6時間56分)
・就床時刻:25時8分(平均)
・起床時刻:8時12分(平均)
朝型と夜型、どっちがお得?
ライフスタイルが多様化した現代社会では、朝型・夜型、どちらの方がよりよいかという比較は簡単にはできません。
しかし、さまざまな研究から、夜型の方が睡眠の状態が悪く、健康に問題がある人が多いという結果が明らかになっています。
朝型・夜型の大きな違いは体温の上がり方
朝型と夜型で体調の違いが大きく分かれるのは、1日の体温リズムです。両者の体温が最も高くなる時刻・低くなる時刻には2時間程度のズレがあり、そのズレは日中の活動状態にも影響します。
朝型は早い時間から体温が上がるため午前中から活動的なのに対し、夜型は体温が上がるのが遅く昼過ぎ、ときには夕方近くまで調子が出ないことがあります。
夜型の睡眠は不規則になりやすい
朝型は寝つきがよい人が多く、夜型は入眠時刻が不安定で、寝つきが悪い人が多いのが特徴です。
さらに夜型は生活習慣が不規則で、朝型と同じ睡眠時間をとっていても睡眠不足を感じる人やスッキリ起きられない人が多い傾向にあります。
また、社会人の場合、会社は午前8~9時前後からの始業が一般的なため、夜型は睡眠不足になりやすく、生活に不満を感じやすいというデメリットもあります。
夜型は外向的だが神経質な性格
夜型は朝型よりも外向的な性格ですが、一方で神経質で不安も感じやすい性格が多いとされています。神経質なため自分の寝つきの悪さが気になり、不調や不快感を睡眠不足のせいと考えがちです。
また、生活が不規則になりがちな要因のひとつに、周囲に流されやすい性格が挙げられます。
朝型は夜に適応できない
朝型の人は、早寝早起きの規則的な生活に慣れているため、夜更かしや不規則な生活が苦手です。そのため、仕事が深夜に及ぶような場面に適応しにくい傾向にあります。
夜9時過ぎには体温が急激に下がり始めるため眠気が強くなり、夜更かしすることがとても辛く感じてしまいます。
また、寝る時刻が遅くても朝はいつもの時刻に体温が急上昇するので、眠りたいのに目が覚めてしまうことも。
生活時間の急激な変化に対して朝型は適応できにくいといえます。
やっぱり健康維持しやすいのは朝型?
朝型は、生活が変わればすぐに不調が出てしまうために生活改善にいたりやすいですが、夜型は不調の現れ方が緩慢です。慢性化したり大きな障害になったりするまで気づかなかったりする危険性が高いといえます。
どちらのタイプがよりよいとは一概にはいえませんが、早朝から夜遅くまで働き過ぎるのはNG。自分の体調に合った生活リズムを守り、無理をしないことが大切です。
参考図書:
『快適睡眠のすすめ』(岩波新書)著/堀忠雄