睡眠学研究レポート

睡眠薬とのつきあい方

睡眠薬で「治療」するのではなく、出口を見据えた服用を

睡眠薬は、不眠という症状を軽減するためのものであって、不眠の原因となる病気を根本的に治療するものではありません。近年、睡眠薬の処方頻度が高まり汎用される一方で、一部の患者さんでは長期間服用の依存や睡眠薬の乱用が社会問題にもなっています。

病気を治すためには、病気の治療を含めたトータルな治療の中で睡眠薬をどのように活用していくかが重要です。睡眠薬の服用にあたっては、治療のゴールを設定し、睡眠薬の種類、投薬期間、減薬・休薬方法などを主治医と相談しながら進めていくことが大切です。病気の治療・療養にはよりよい眠りが不可欠。その手助けをするのが睡眠薬であるということを知っておきましょう。

 

睡眠薬の注意点

適量を守る

他の薬と同様、睡眠薬は一度にたくさん飲めば飲むほど効果が期待できるというものではありません。長年不眠の悩みを抱えている人は、通常の量だと薬が効かないことがあります。しかし、素人判断でいたずらに量を増やすのは危険。必ず医師に相談しましょう。

 

睡眠時間にこだわらない

理想は7時間半睡眠といわれていますが、すべての人にとってその睡眠時間が必要なわけではありません。自分にとっていちばんよい睡眠時間はどれくらいなのか、どんな薬の飲み方がよいのかを知ることが大切です。

睡眠日誌をつけて自分の睡眠を把握したり、医師と相談しながら睡眠薬との適切な関わり方を探っていきましょう。

 

アルコールとの併用は不可

他の薬と同様、お酒と一緒に飲むのは絶対に避けましょう。薬の効果はほとんど上がらず、睡眠薬の副作用だけが強くなってしまうことが分かっています。

 

参考図書:
『睡眠障害国際分類第2版(ICSD-2)』(医学書院)発行:日本睡眠学会
『睡眠障害診療ガイド』(文光堂)日本睡眠学会認定委員会ワーキンググループ監修
『睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン』日本睡眠学会

監修

医師・医学博士

塩見 利明

愛知医科大学 睡眠科 教授

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