日本美腸協会 代表理事の小野咲です。前回は筋肉についてお伝えしましたが、「腸腰筋」は意識されていますか?意識的にストレッチすることは大切ですが、意識しすぎて、筋トレになってしまうと実はNG。
ハードな筋トレは、自律神経の交感神経を活発にするので、腸にとっては相性が悪いと言えます。
エクササイズの中でも、有酸素運動やウォーキングなどが腸には良いですが、なかなか時間が取れなかったり、継続が難しかったりするという声も多く聞きます。とはいえ、お腹の動きを出すためには刺激が必要。
そこで今回は、お腹の動きを出したい方、また身体を動かすことが好きな方や、年齢を重ねて筋肉や身体の動きが低下した方にオススメな、3つのストレッチをご紹介します。
腸ストレッチ前に確認したい3つのポイント!
① 動きはゆっくり行いましょう
筋肉はゆっくりと伸ばしましょう。ストレッチの目的は、筋肉を柔らかくして可動域(動く範囲)を広げることです。それによって身体の十分なパフォーマンスを発揮することが出来るようになるといわれています。
逆に、勢いをつけて行ってしまうと筋肉が伸張反射という筋肉を反射的に縮めてしまい、身体に負担をかけてしまいます。
② 20秒以上3回伸ばしましょう
「伸びているな」と思うところで止めて、十分に筋肉が伸びる状態を作り20秒保持しましょう。
筋肉は1回伸展すると、1回目より筋肉が柔らかくなります。それにより屈曲可動域が広がるため、2回目は1回目よりも更に可動域を広げることが出来るのです。
③ 深い呼吸と一緒に行いましょう
ストレッチは、筋肉の動きだけでなく全身の血流や酸素の流れを良くして、身体のパフォーマンスをアップする効果もあると言われています。
新鮮な空気を身体の中にしっかり取り込んで、筋肉と共に血流や酸素の流れをよくしていきましょう。
また、以前の記事にも出てきましたが、吐く息はリラックス効果があります。ゆっくりと伸ばすためにも吐く息を長めに、そしてゆったりとした気持ちで行うと効果的です。
3つの腸ストレッチ
それでは、腸ストレッチをご紹介します。腸の位置が本来よりも下がっている方も多くいます。まず腸を正しい位置にもっていき、横隔膜と腸腰筋を伸ばし、そこから腸を刺激していく3つのステップです。
ヒップアップのストレッチ
腸の位置を正しい位置へもっていくために行います。
- 仰向けになり、腕は身体に沿わせておきます。手のひらは下を向けておいてください。
- 膝を曲げて、両足を立てます。
- 膝から胸までまっすぐになるように、お尻を浮かせていきます。
- お尻を浮かせた状態で、20秒キープします。これを3回行います。
※もし余裕がある場合は、お尻を浮かせた状態で腸を上にあげるように下腹部の辺りからお臍までをなでるようにマッサージしてください。
伸びストレッチ
横隔膜と腸腰筋のストレッチを行います。
<やり方>
- 仰向けになり、右足のひざを曲げて、右足首を右足の太ももにつけるようにします。足裏をお尻につけるように持っていき、少しきついなというところで止めます。
- 太ももの筋肉を伸ばしたまま、両手を上にあげ思いっきり伸びます。
- 20秒伸びたら、足を右足から左足へ変えます。足を交換したら同様に両手で20秒伸びます。
腸ねじりストレッチ
腸を刺激して、胸の筋肉のストレッチを行います。
<やり方>
- 仰向けになります。
- 右足の膝を約90度に曲げて、身体をお腹の部分でひねるように、右足で左足の上を越して、右足の内側を床につけます。
- 右手は床につけたまま肩の高さでまっすぐに伸ばします。右手と右膝が対角線上にあるイメージで伸びて気持ちがよいところで20秒保持します。
- 左側も同様に行います。動きは一つずつゆっくりと行いましょう。
すべて寝る前に
腸のゴールデンタイムは24時です。寝ている間にお腹が動いて、腸を整えることが出来るように、寝る前に行うことがお勧めです。今回は寝る前にできるように、寝る姿勢で無理なくできるストレッチをお伝えしました。
私もよく寝る前にストレッチをしますが、横になって行う動きだといつでも寝られて、またゆっくり行うことが出来るので、横になりながらのストレッチが個人的にも好きです。
なお、食事の直後などにストレッチをすると胃腸に負担がかかります。ストレッチは、食事をとってからある程度時間をおいてから試してください。
季節の変わり目は熟睡できない方も増える季節。そんな方にも、寝る前のストレッチは血行やガス交換を効率的にしてくれると言われていておすすめです。是非試してみてください!
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