突然やってくる「はじめまして」の方に会う機会。初対面ですから、自分に自信をもって会いたいものですね。
でも、忙しくてなかなか自己メンテが追いついていない方も多いはず。そこで、忙しい方でも手軽にできる、「睡眠と入浴の”夜のうっとり美容”」を、今後、ナイトケアアドバイザー・パーソナルボディトレーナーの小林麻利子がお伝えしていきます!
睡眠の質の低下による肌荒れ
いつもお肌がごわついていたり、くすみが気になったり。初対面の方に会うとき、ご自身の肌が荒れていれば、会話することが億劫に。
食生活の改善や高い化粧品の使用など、様々なものを試しても、あまり肌荒れによい成果が出なかった方は、もしかしたら睡眠の質が低下している可能性があります。
睡眠不足が肌荒れに繋がる理由
(1)成長ホルモンがきちんと分泌されない→くすみやシミ
睡眠の質が悪ければ、成長ホルモンがきちんと分泌されていない可能性があります。脳下垂体前葉から分泌される成長ホルモンは、肌にとっては肌の細胞分裂を促すとても重要な内分泌系です。
成長ホルモン濃度は、寝始めてから1時間半の徐波睡眠(深い睡眠)に最大の分泌量を示すため、深い睡眠がとれていなければ、成長ホルモン分泌不足の可能性が考えられます。ターンオーバーを長引かせ、くすみやシミに繋がります。
(2)エストロゲンの分泌が少ない→ハリやツヤ不足
女性ホルモンのエストロゲンの分泌が少ない可能性があります。
度重なるストレスで熟眠感のない日が続くと、自律神経バランスが崩れ、ホルモンの司令塔である脳下垂体の働きを鈍らせ、卵巣への伝達がうまくいかず、エストロゲンの分泌が低下してしまうことに繋がることも。
お肌のハリやツヤに不可欠なエストロゲンが低下することで、肌の弾力性が崩れ、乾燥肌になりやすくなります。
(3)免疫機能の低下→シミやシワ
異物や刺激から守るバリア機能が低下している可能性があります。
表皮上層にあるランゲルハンス細胞は、肌のバリア機能を作る働きを持つ細胞で、トラブル肌の原因となる細菌やウイルスなどの異物を攻撃したり、外部刺激の過剰な反応を沈静化させる作用があります。
しかし、睡眠不足や加齢、乾燥、紫外線により肌の血行が悪くなると、免疫機能を担う細胞の働きも悪くなり、外部刺激に対抗するだけの力を持てなくなり、炎症反応として、シミやシワなどに繋がってしまうのです。
今夜からできる! 快眠で美肌を得る方法
美肌を作るためには、高い化粧品より「質の高い睡眠」。睡眠中いかに徐波睡眠を出現させるかにあります。そこで今晩からできる、質の高い睡眠をとる方法をご紹介します。
(1)夏でも湯舟に浸かる
毎日湯舟に浸かり、就寝1時間前には上がるように心がけましょう。これから暑くなると、シャワーで済ます方が多いようですが、熱がこもったままでは良い眠りを得ることができません。
ヒトは、体温の高低差が大きければ、深い睡眠や睡持続時間が伸びる傾向にあるので、湯舟に浸かり、体温を上昇させることで、浸からない時よりも深部体温をうまく下げることができ、”うっとり”と気持ちよく眠りにつくことができます。
(2)モモンガの筋弛緩ストレッチ
筋肉は力を入れ続けた後に脱力した方が、何もしていないときより力を抜くことができるという性質があります。これを利用し、モモンガの筋弛緩ストレッチを行いましょう。
①ベッドの上にあおむけになります。そして、両足と両手をベッドから離して、全身硬直させます。10秒力を入れ続けましょう。空を飛ぶモモンガをイメージして。
②その後、一気に脱力します。これを1~3セット繰り返しましょう。脱力した後は、ゆったりと呼吸を繰り返して”うっとり”します。
(3)寝る前は極上の”うっとり時間”を
就寝30分は、副交感神経系が優位になるように”うっとり”することが大切です。
寝る前は通常赤ちゃんのように手足が温かくなるのに対し、寝る前になっても冷えている方は、平滑筋の交感神経系が優位になり、皮膚血流が悪くなっている可能性があります。これは深部体温の低下を妨げるため、睡眠の質の低下に繋がります。
夜は、携帯電話やTVなどから離れ、間接照明を灯し、アロマテラピーやヒーリングミュージックなどをかけながら、”うっとり”する時間を持つようにしてみましょう。
よい睡眠をとれていれば、内分泌系、自律神経系、免疫系が整い、血液循環が良くなり、睡眠中の肌細胞の再生・修復が盛んにおこなわれるようになります。これで翌朝はプルプル!ぜひお試しくださいね。
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