寝る前にチョコレートを食べると、安眠効果があると聞いたことはありませんか?簡単に手に入る身近なチョコレートですが、実はさまざまな良い効果が期待できるスゴイ食品なんです。今回は、寝る前にチョコレートを食べることの効果をご紹介していきます。
太るから、虫歯になるからなどといった理由で避けている方も、ぜひチョコレートの効果を実感してみてください。
眠れない夜は、チョコレートでリラックス!
例えば、気分をうまく睡眠モードに切り替えられなかったり、なんとなく不安を感じたりして眠れない! という人は、寝る前にチョコレートをひとかけら食べてみましょう。
チョコレートには、抗ストレスとリラクゼーション作用があると言われています。チョコレートの原料であるカカオマスに含まれるテオブロミンやカフェインが、脳内の神経伝達物質に作用し、気分に影響をおよぼすのです。
特にテオブロミンは、脳を活性化させるほか、リラックスさせる、代謝をよくするといった効果もあります。ホットミルクと一緒に食べれば、心地良い眠りにつけるかも。テオブロミンをたくさんとるには、カカオマスの割合が多いチョコレートがおすすめ。ただ、過剰摂取は逆効果なので、一度に大量に食べないように気をつけましょう。
ちなみに一般的なミルクチョコレートに含まれるカフェインは、10gあたりコーヒーの1/6くらい。少しくらいなら寝る前に食べても影響はなさそうですが、ビターチョコレートにはコーヒーの1/2ほどのカフェインが含まれるので、ひとかけらだけで我慢して!
太っちゃう? 虫歯になっちゃう? 意外と知らないチョコレートの真実
高カロリーだから、虫歯ができるから…といった理由で、チョコレートを我慢している人もいるかもしれません。しかし、チョコレートに含まれる脂質であるココアバターは、他の油脂と比較して消化・吸収されにくく、実質的にはカロリーが低いとされています。また、「チョコレートの摂取量と体脂肪率とは関係ない」という、うれしい実験結果も。
さらに、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、虫歯の進行を抑える効果があることもわかっています。歯周病や口臭予防にも有効とされ、研究が進められているそうです。
実はスゴイ健康食品! チョコレートの底力
チョコレートは、まだまだ身体にうれしい効果を秘めています。チョコレートには貧血予防に効果的な銅・鉄や、心臓を守るマグネシウムなどが豊富に含まれており、不足しがちなミネラルを摂取することができます。さらに、先ほど虫歯の抑制効果を紹介したカカオポリフェノールには、がん予防や抗酸化、抗炎症といった効果も期待されているそう。
ただし、何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」。低カロリーでポリフェノール含有量が多いチョコレートを、1日25gを目安に食べる程度にとどめておくのがベターです。
ちなみに、ココアバターを使用したホワイトチョコレートには、カカオポリフェノールが含まれません。チョコレートの力を取り入れたいなら、カカオマスを原料に使用したスイートチョコレートやミルクチョコレートがおすすめ。さらにおいしく味わいたいなら、15〜25℃で保管したチョコレートを、噛まずに舌の上でゆっくり溶かしながら食べること。そうすると、香味の変化を楽しめるのだそうです。
実は食べるといいことずくめだったチョコレート。食べ過ぎにさえ注意すれば、安眠はもちろんのこと、日々の健康にも役立ちそうです。バレンタインにもらったチョコレートは、就寝前のリラックスタイムに、ゆっくり味わってみてはいかがでしょうか。
<参考図書>
『食物と健康の科学シリーズ チョコレートの科学』(朝倉書店) 著/大澤俊彦、木村修一、古谷野哲夫、佐藤清隆
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