睡眠学研究レポート

時差ぼけの主な症状は?

睡眠障害、消化器官系の不調などがあります。

 

ヒトの睡眠は体温の変化と密接に関わっており、夜間に体温が低下しはじめると眠くなり、体温が上昇すると覚醒します。このタイミングは生物時計により厳密に管理されています。

 

【睡眠障害について】

出発地の外部環境に合わせていた生物時計は、到着すぐに到着地の外部環境に合わせることはできません。そのため、さまざまな睡眠障害を引き起こす場合があります。

・到着地の夜に寝つけない、途中で目が覚めてしまう症状

到着地の夜が出発地での睡眠時間帯からずれている場合は、体温が高い時間帯に睡眠をとらなければならず、寝つけない、途中で目がさめてしまう、眠りが浅いなどの睡眠障害が起こります。

・ 到着地の昼に眠気が生じる症状

日中は、到着地の昼間が出発地での睡眠時間に相当するため、体温が低くなり、日中に眠気を強く感じることがあります。

 

【消化器官系の症状について】
肝臓や胃など消化器官系の臓器にも生物時計があり、脳にある中枢時計に対して末梢時計と呼ばれます。

消化器官系の末梢時計は、中枢時計の支配を受けているため、到着地での食事時刻が出発地とは異なることによって、時差ぼけとなり、消化に適した状態に調節されず、消化不良や食欲不振といった症状を引き起こします。

監修

博士(医学)

山仲 勇二郎

主な研究分野は、環境生理学、時間生物学、睡眠科学。日本時間生物学会評議員、日本生理学会評議員。環境生理学グループ久野寧記念賞(2012年)、日本時間生物学会学術奨励賞(2014年)。国内唯一の時間隔離実験室を使用し、ヒトの生物時計を対象とした時間生物学研究に従事している。主な著書に『体内時計の科学と産業応用(株式会社シナジー 2012年)』、『からだと温度の事典(朝倉書店 2010年)』など。

北海道大学大学院 大学院教育学研究院 健康体育学分野 准教授

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