「夫のいびきがうるさくて眠れない…」「自分のいびきがうるさくて目覚めてしまった」というのは、よくある話です。「うるさいな」程度で済ませてしまいがちな「いびき問題」ですが、そのいびき、放っておくのは危険かもしれません。実は、いびきは病気のサインである可能性もあるのです。
「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」という病気をご存知でしょうか?
眠っている間に何らかの原因で上気道 (※)が狭まり、呼吸が止まってしまう病気です。その睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さんの多くに、いびきの症状が見られます。
※上気道:気道のうち、鼻から咽頭、喉頭にかけての部位
睡眠時無呼吸症候群(SAS)ではない場合も、いびきによって睡眠の質が下がれば、十分に疲労を解消できず、日中の仕事などのパフォーマンスも落ちかねません。「たかが、いびき」と、あなどらず、パートナーのいびきで悩む方も、自分のいびきで悩む方も、大事に至る前にいびき対策をして快眠を取り戻しましょう。
→睡眠時無呼吸症候群の症状や原因、病気によるリスク、検査や治療を紹介します
→自己覚醒はなぜスッキリ起きられるの? →睡眠時無呼吸症候群の危険度を判定してみましょう
人はなぜいびきをかいてしまうのでしょうか。
いびきの基本的なメカニズムは、空気の通り道である上気道がさまざまな原因で狭くなり、狭くなった上気道を空気が通ろうとすることにあります。その時に生じる摩擦音が、いびきです。
ここでは、うるさいいびきの5つの原因と、その改善方法について解説します。
まずひとつは「口呼吸」。睡眠中に口で呼吸をしていると、重力で舌が落ちて上気道が狭くなってしまいます。
そもそも人間の呼吸は、口よりも鼻が適しています。口呼吸をしていると口の中が乾燥しやすくなり、歯周病や口臭の原因になるほか、細菌やウイルスなども身体に侵入しやすくなります。
特に花粉症や鼻づまりのときは口呼吸になりがちなので、鼻の疾患を治療して楽に鼻呼吸ができる状態を確保することが大切です。
仰向けで眠っている場合には、重力で舌が喉の奥に落ち込み、どうしても上気道が狭くなりやすい状態になります。眠る姿勢を横向きに変えて、上気道を確保しましょう。
抱き枕をかかえてみたり、枕の片側を高くして斜めにしたりして、横向きで眠りやすい環境をつくりましょう。
肥満による身体の変化も、いびきの原因のひとつです。
喉まわりに脂肪がつくと、ただでさえ上気道を狭くしやすい状態になりますが、眠る姿勢になると重力が加わり、さらに上気道を狭くしてしまいます。
肥満はいびきの問題だけではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のほかにも高血圧や狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などの合併症を引き起こすリスクがあります。
健康の基本として、適正な体重になるように減量に取り組みましょう。
疲労やストレスでも、いびきは発生します。身体が疲れきっていると、喉まわりの筋肉がゆるんで舌が喉の奥に落ち込みます。それにより、上気道が狭くなってしまいます。
普段からストレスをため込みすぎない工夫が大切です。
一時的な疲労が、一時的ないびきにつながっている場合にはさほど問題はありませんが、いびきが習慣化してしまわないよう、眠る前のリラックスを心がけましょう。
入浴や眠る前のストレッチなど、短時間でも、自分がゆったりできる時間を持つことがポイントです。
アルコールの摂取でも喉まわりの筋肉がゆるんで、上気道が狭くなります。アルコールを摂取すると血行が促進され、血管が広がることで粘膜が腫れて鼻づまりを起こしやすくなります。鼻づまりが起きると、口呼吸につながりやすくなります。
もともとアレルギー性鼻炎の症状がある場合は、アルコールによって症状が悪化し、鼻づまりがひどくなるケースもあります。
お酒は眠る直前まで飲まないよう、就寝の3時間前を目安に切り上げておきましょう。
眠れないからと寝酒をする方もいますが、寝酒は睡眠の質を落としてしまうので避けるのがベター。お酒を飲むと寝つきは良くなりますが、時間とともに眠りが浅くなり、翌日以降にも疲れを残してしまいます。
また、お酒に頼った眠り方はアルコール依存のリスクも高めてしまうので、お酒以外でリラックスして眠れる方法を探しましょう。
もともとの身体の構造が原因になることもあります。
日本人は欧米人よりも下顎が小さいため、舌の筋肉が喉にせり出して、もともと上気道が狭くなりがちな傾向にあります。さらに鼻も高くないので、鼻づまりも起きやすく、上気道が圧迫されていびきにつながります。
鼻で呼吸をするのが苦手な人は、「鼻呼吸トレーニング」をしましょう。方法はいくつかありますが、グッズをうまく使うのも1つの手です。
鼻腔(びこう)を広げてくれる市販のテープを使うと、鼻呼吸がしやすくなります。眠っている間の口呼吸を防ぐには、起きている間から意識的に鼻呼吸をすることがポイントです。
鼻呼吸トレーニングの詳しい方法はこちらの記事を参照してください。
ここまで説明したように睡眠時の口呼吸、身体の疲労やストレス、もともとの身体の構造がいびきの原因となることから、監修者の確認・情報をもとに
上記の基準を満たした、フミナーズ編集部厳選のいびき対策グッズを1点ずつご紹介します。
うるさいいびきを我慢せずに、ご紹介するグッズを有効活用して快適な眠りを手に入れましょう。(以下、価格は記事更新時の販売価格です)
《特徴》
「いぶきの実」は、いびきや歯ぎしりなど”夜の騒音”をまとめて対策をしてくれるいびきサプリメントです。
空気の通り道をスムーズにするコエンザイムQ10や、歯ぎしりの主な原因となるストレス緩和に効果があるギャバ、ラフマを配合し、リラックス効果も期待できます。
いぶきの実を購入する。
《特徴》
頭を沈み込んだ時の高さが、横向き寝でも仰向けでも、寝返りをよく打つ方にはオススメの商品です。またその特徴として、通気性の良さがあげられます。
熱がこもることもなく、快適な眠りを提供してくれます。
airweaveピロースタンダードを購入する。
《特徴》
「横向き寝」を促進する枕です。横向きで寝ることにより開口することが減少し、舌根が気道に落ち込むのを防ぎます。
耳に当たる部分に穴が空いているため、長時間の使用で耳が痛くなりにくいのも特徴です。
フランスベッド 横向き寝枕 Sleep Vantageを購入する。
《特徴》
うるさいいびきを遮断し、穏やかな眠りを誘うこちらの耳栓。丸洗いが可能で何度でも使用することが出来ます。
約25dB遮音することで(ピアノの音が約27dB)、いびきや歯ぎしりなどの気になる音量を下げます。
また、通気性に優れており、耳栓をつけた時の熱がこもるという不快な現象も起きません。
CRESCENDO耳栓 睡眠用 イヤープロテクター Sleepを購入する。
《特徴》
頭を、枕の中央の突起の上に乗せると、自然と頭が左右に向くように設計されているこの枕。
頭が横向きになることで、舌根による気道の圧迫が起こりにくくなり、自然で楽な呼吸を促し、いびきを軽減します。
Adokoo 人間工学設計 低反発ピローを購入する。
《特徴》
首や肩のカーブに優しくフィットし、頚椎を効果的にサポートします。首痛や肩こりの軽減に役立ちます。
仰向け寝、横向き寝、うつぶせ寝、などの寝姿勢でも快適な睡眠をとることが出来ます。
曲線の設計により寝返りがスムーズに出来ることにより、眠りの質を高めます。
何といっても、血行を妨げず、呼吸が楽になり、いびき改善に効果的です。
Mkicesky 低反発健康枕を購入する。
《特徴》
プラスチックバーの反発力で鼻腔の入口を拡げて、鼻呼吸をスムーズにサポートします。
風邪や花粉症で鼻詰まりが酷くて寝苦しいときやよく眠れないときに、鼻の上に貼るだけで快適な眠りへと誘います。
お手頃な価格で手に入りやすいことも魅力的です。
ブリーズライトスタンダード 肌色 レギュラー 30枚入を購入する。
《特徴》
寝ている間に開く口を閉じるように習慣づけるためのマウステープです。
絆創膏にも使われる人体専用の糊が使われているため、安心して使用することができます。
通気性もよく、長時間の使用でもふやけて剥がれることが少ないのも特徴です。
セレブリーズ 口閉じテープ いびき防止テープ イビキ対策グッズ (2個セット)を購入する。
《特徴》
鼻腔拡張テープは、鼻腔を広げて呼吸を楽にします。
睡眠中の鼻づまりの改善はもちろん、いびき軽減に効果的です。スポーツ選手なども、幅広いシーンで使用しています。
肌になじむ肌色タイプと目立ちにくい透明タイプの2種類があります。また成人のほとんどの人の鼻に適したサイズです。
試しにつけてみたい方から、毎日使いたいハードユーザーまで選べる枚数のラインナップです。
アイリスオーヤマ鼻腔拡張テープ 透明 50枚入りを購入する。
《特徴》
薄さ1mmのシリコン膜が耳に優しくフィットし、いびきや歯ぎしりなどの低音域の音量をカットします。
耳栓が苦手な方でも、長時間つけていて痛くなりにくいことが特徴です。
また朝の目覚ましや携帯のアラームなど、高音域を通す特殊設計がされているので、快適に眠れ過ぎて、起きられなかった…という心配もありません。
無音状態による耳鳴りが苦手な方にもおすすめの商品です。
いびき音はカットしてもアラーム音は聞こえる「いびき対策耳栓 みみきのこ」を購入する。
《特徴》
鼻呼吸を快適にサポートするためのマウステープ。イビキの原因である鼻呼吸を抑制するので、イビキ対策にはもちろん、喉の乾燥対策にも使用できます。
値段も手頃なので、今すぐなんとかしたいうるさいイビキに活用してみましょう。持ち運びも便利なため、旅行用にも最適です。
いびき対策口呼吸テープ ぐっすりマウステープ 8枚入を購入する。
《特徴》
いびきの原因である口呼吸を抑制する矯正サポーターです。夜中寝ている間のいびきやよだれなどを未然に防ぐことができます。
口呼吸にならないよう、テープで顎をしっかり固定することで鼻呼吸を促します。睡眠の質に悩みを抱えている方に効果が期待できます。
使い始めは違和感を感じるそうですが、数日で慣れ、鼻呼吸に移行していけるとのことです。
快眠サポーターを購入する。
いびきは、一時的なものであればさほど心配はありませんが、いびきが習慣化していたり、眠っている間に呼吸が止まっていたと指摘されたりするような場合には、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの病気の可能性もあります。
加えて、昼間に眠気があるなどの場合には、睡眠の質が落ちているサイン。早めに専門医を受診しましょう。
→睡眠時無呼吸症候群の症状や原因、病気によるリスク、検査や治療を紹介します
→自己覚醒はなぜスッキリ起きられるの? →睡眠時無呼吸症候群の危険度を判定してみましょう
うるさいいびきには、さまざまな原因があります。いずれも放っておくと大病になりかねないので「うるさいな」で終わらせてはいけません。
口で呼吸をしていないか、寝る直前でお酒を飲んでいないかなど、原因をしっかり把握しておく必要があります。
原因によって対策が異なりますので、あなたや家族のいびきの原因が分かれば、いびき対策アイテムを導入するなどで適切な処置をしましょう。
※本コンテンツで紹介している商品は監修者の情報の下、編集部が選定しました。
監修
医師・医学博士
坪田 聡
Sleep Stylesは、睡眠に悩む全てのビジネスパーソンへ向けて、睡眠をテーマとした睡眠学研究レポートを公開しています。よりよい睡眠で日中のパフォーマンスを上げたい方々に向け、良い睡眠習慣への改善を総合的にサポートしてまいります。
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